@航行中は、実施しない。
A風の強い日(五メートル/秒以上)は、気圧変動が大きいので、読み合わせの時の誤差が大きくなる恐れがあるので実施しない。
B海面からの高さ(点検時、満船時、空船時)に注意する。点検時の高さが違うと正確な器差を得ることができません。
C気圧の値を読み取る際には、気圧計の置いてある部屋の扉を開放し、外気圧と同じ値にする。タンカー・LNG・LPG船等では荷役作業中は、外気との扉を開けられない場合が多いので注意してください。
なお、電話での気圧計の比較点検は、港湾気象官が持参した基準気圧計により同じ場所・条件で比較した方法と比べ、船上での振動等による誤差等や器差補正等の点で精度の確保について十分確保できない点もあります。
このため、この電話点検は航海中に気圧計の異常に気付いた応急的な場合や、長期間にわたり点検を受けることができなかった時などに限定し、早めに港湾気象官の訪船点検を受けられることをお勧めします。
五、おわりに
これまで、日本における気圧計の点検等について述べてきましたが、外国の主要港でも、港湾気象官が配置されており、寄港時に要望すれば国籍を問わず訪船点検を受けることができます。その場合、世界気象機関の国際観測通報船舶として登録されていれば、優先的に訪船サービスを受けることができます。
最後に、観測データの少ない洋上において船舶の観測データが非常に重要であることを認識していただき、今後とも海上気象目測・通報の提供を継続していただくようお願いいたします。
(主任技術専門官)

観音崎で献花式
終戦記念日の八月十五日、政府主催の「全国戦没者追悼式」に合わせ、神奈川・観音崎の戦没船員の碑の前で恒例の献花式が行われた。
この行事は、(財)日本殉職船員顕彰会(永井典彦会長)が昭和四十七年以来続けているもので、猛暑の中を同会の米山理事長はじめ、遺族会代表および海事関係団体代表ら三十五人が参加した。
献花式は、正午「安らかにねむれ わが友よ 波静かなれ とこしえに」と刻まれた碑の前に全員が集まり、ラジオの橋本首相の式辞を聴き、一分間の黙とうをささげた。続いて天皇陛下のお言葉を拝聴した後、参加者一人ひとりが菊の花を祭壇に供えた。
このあと、一同は近くのホテルで昼食をとりながら戦時中の思い出を語り合い、平和のありがたさをかみしめた。